NO.9 種を探す旅

下山竜之介/Menu

 

 

 

ーどういったきっかけで海外に興味を持ちましたか?

 

アメリカに友達がいてNYに初めて遊びに行ったんだ。それがすごい印象的で、自分の知らない世界がこんなにも広がっているんだってなって、それで純粋にそういう刺激的な世界をもっと知りたいと思ったんだ。

 

ーアメリカ留学で印象的だったことは何ですか?

 

僕はアメリカのサンフランシスコに留学していたんだけど、サンフランシスコはとてもユニークな街で、アメリカの中でも特にいろんな人種が集まっているんだ。アメリカではマイノリティなはずのアラブ系やヒスパニックや中華系の人々が集まっているから、マイノリティがマイノリティじゃなくなる町なんだよね。"San Francisco is San Francisco, not a part of America." って言葉があるぐらい。みんなアイデンティティはハンディではなくてユニークな個性であると考えていて、その意識を持って日々生きている人のパワー感じれたことかな。

 

 

 

 

ーその後にアメリカを横断しヨーロッパ周遊へ

 

鉄道を使ってアメリカ横断をして、そのあとヨーロッパを周ったんだけど、全く日本とは違う文化で、こういう宗教があって、こういう考え方や建物が出来たんだなっていうのを知るのがすごい楽しかった。旅についてよく印象的な場所や出来事とかをよく聞かれるんだけど、僕は旅を点で考えるんではなくてそこに至る課程とかそれを生かしていく課程が大切だと思っていて、一人で旅をしている間の何気ない移動時間に、バスから外を眺めながら考えたことや撮った写真なんかがすごく価値のあるものだと思っているんだ。

 

 

 

 

 

ー旅行先にチュニジア選ばれたのは何故ですか?

 

チュニジア、リビア、中東諸国と聞くと、ジャスミン革命からのアラブの春とかデモや紛争を思い浮かべると思うんだけど、今世界で起こっている紛争の原因の多くが"宗教"、"歴史"、"民族"だと考えられていて、イラク戦争もキリスト教VSイスラム教の戦争と言う人がいて、ブッシュも「十字軍」なんて馬鹿な言葉を使っていた。でも、僕は違うと思う。イスラム教だからとか、歴史的にうんちゃらとかっていうのは、全て結果やこじつけに過ぎなくて、人間のエゴによるものだと思うんだ。だから、僕はなるべく多くのことに苦しみながらもそういう現実を知っておきたいと思ったんだ。・・・っていうのは建前なんだけど、本当はインドをバックパック中に恋をした人がチェニジアにいて、その人に会いに行ったっていうのもあるんだけどね。(笑)

 

 

ーチュニジアで思い出に残っていることはありますか?

 

砂漠で星屑の空や、地平線の彼方に沈む太陽、乾いた風、握り締めた手からこぼれおちる砂、果てなく続く砂丘を目の当たりにして、自然の素晴らしさに涙がでたことかな。だけどそれとは対比的に、朝起きてニュースに流れるのは隣国リビアの情勢、中東各国の紛争、病院に担ぎ込まれる人、泣き叫ぶ子供の姿で、日本の朝のニュースなんかはすごく平和的な話題しか流れないから、そういう現実があることを実際に感じて、胸の奥の部分がグーっとなった。

 

 

 

 

ー最後に、竜之介さんにとって旅とは何ですか?

 

「種を探すこと」。新しい、自分自身に向いていることの種を探すこと。ただあくまでもそれは種だから、それを咲かせることがすごい大事。その種を見つけるっていうのは別に旅でなくても出来ることで、日本でも出来ることだと思う。ただ、日本の中でしか見つからない種じゃなくて、外来種とかがいっぱいあって、日本では手に入らない種を見つけに行くことかな。