No.4 人の温かみをつなぐ旅

森田松之助 / Menu

 

 

 

―旅に出たキッカケは?

 

 元々自分のたこ焼き屋の店を企業してずっと経営してた。バイトするぐらいやったら、自分でやったほうがおもろいやろなって思ってたからね。大学生のうちに人とは違うことを何かやりたかった。それで、そのたこ焼き屋さんを始めて、色んな出会いがあった。お客さんとの出会いはもちろんやし、たこ焼き屋をオープンするまでの過程で、県庁の人とか役所の人とか大学の教授とか、たこ焼き屋をやらなかったら繋がれなかった出会いがいっぱいあったんよ。人と出会うってすごい面白いなー、いろんなこと勉強できるなって思うようになった。それで、今までずっと三重県でたこ焼き屋をずっとやってきたんやけど、全国でたこ焼きを焼いてお世話になった人にプレゼントしながら日本を旅したら、もっと色んな人と出会えるんじゃないかって。もっといろんなことを吸収できるし、繋がれるし、新しい発見があるんじゃないかなって考えるようになったのが旅のきっかけかな。

 

 

―旅で印象的だった出来事やハプニングは?

 

 真夏に急性胃腸炎と熱中症に同時にかかったことがあった。その日は野宿してたんやけど、朝起きたら顔色も真っ青で、めっちゃ熱あつし頭痛いし、やばいなと思ってとりあえず病院に行って見てもらった。そしたら結構深刻で、入院するか聞かれて。でも金が全然なかったから、入院できなかった。ほんだら、ブログ見たお世話になった人が、60キロぐらい離れてるところから車飛ばして迎えに来てくれはった。で、そこでずっと一週間療養して。そのおかげでなんとか旅を続けられた。めっちゃ感謝してる。ほんとに色んな人のお世話なったし、色んな人に出逢えた。色んな旅人にも出会ったな。70歳で自転車で旅をしているイギリス人とか。スケボーで世界一周している人とか、リアカーでゴミ拾いながら日本縦断をしている人とか、人力車で世界一周している人とか。それぞれが、それぞれの思いを持って旅してるから、みんな違うねんな。それがすごい面白かった。

 

―帰ってきて自分の中で変わったことは?

 

 神奈川県で出会ったおっちゃんに言われたすごい印象的な言葉があって。「色んな人の世話になれ。世話になった人だけが、世話できる人間になれる。」っていう言葉。俺は日本を歩いて、色んな人に世話になった。ほんまに大変な時の方が多いねんけど。100キロぐらいのリアカー引っ張って、雨の日も野宿して。それで、めっちゃ寒い冬とか雨の日に「あったかいお茶どうぞ」って持ってきてくれる人もいた。そうゆうのがすごい嬉しかった。そうゆうのって今までなかなか気づかなかった。色んな人にお世話になったからこそ、じゃあ今度は自分が誰かにやってやろうって気持ちになった。自然に人のことを考えながら人に何かをしてあげたいって思えるようになった。おっちゃんの言葉、その通りなんかなって思う。

 

―被災地にたこ焼きを作りに行ったのも、人に何かをしてあげたいって気持ちから?

 

 それもあるよなぁ。元々、東京の団体の被災地支援プロジェクトに参加していて、被災地の調査を4月にしてた。でも、一週間の調査期間中に「避難所の調査だけで俺たちはいいのか?」ってメンバーが思いはじめて、もっと何かできるんじゃないかってゆうのがあった。それで、たこ焼きの炊き出しとかやろうよって話になったんよ。期間中にやろうぜってなってたんやけど結局できなくて。だから、一週間終わってバスで帰る時に「ここに残してください。自腹で勝手に帰るから。」って頼んで、メンバーの9人ぐらいが現地に残ることになった。それで、宮城県気仙沼市大島ってゆう島があるから、そこで熱々のうまいたこ焼きを食べてもらう為に、たこ焼き機とかレンタカーとかプロパンガス借りて、材料調達してみんなでとりあえず行った。漁師さんとか地元でとれたタコを差し入れしてくれて、それを使ったりした。焼きたてやし、めちゃめちゃ喜んでくれて。それがめちゃくちゃ嬉しかった。実際に被災地の人と触れ合えてよかったなって思う。

 

 

―旅とか被災支援を終えて、今後やりたいことは?

 

 まだ具体的には決まってないんやけど、卒業したら一回就職して色んなスキル磨いてから30歳で独立したいな。ずっと旅してきたし、旅が好きやから、旅をテーマに起業できたらなぁってのもある。あと、人との繋がりって大切。なんか今って、地域のつながりってすごく少ない。東京だと色んなとこから来てるから特にそうだと思う。東京の下町とか行けば繋がり強いけど、都内とかになると、なかなか隣住んでる人もわからん時代やし。Facebookとかめっちゃすごいと思う。あーゆう仕組みを自分で考えられたら、もっと多くの人が幸せになれるんやないかって思う。

 

―最後に旅とは?

 

 色んな経験を通して自分について考えるきっかけを与えてくれるもの。かな。大学に入ると、なかなかさ、就活でもない限り、「自分は何がしたい」とか「自分て何なんだろ」とか真剣に考える機会ってあんまないと思うんだよね。でも、旅することで色んな経験できるし、色んな国とか場所、文化とか見れて、人との出会いもあるし、その時に「この人達はこんなにすごいことしてるんや。じゃぁ自分はどうなんかな?」って自分に置き換えて考えれる。自分について深く考えれるのが旅の良さかなって思う。日本縦断を、みんながみんなすごいねって言ってくれるわけじゃない。「お前何してんねん。こんなことしてないでちゃんと勉強して、早く社会にでろ」ていう人も中にはいるし。そーゆう人の話も自分について考える為になった。あと、色んなこと経験すると、語れるものってあるよな。やっぱり語れるものをいっぱい持ってる人ってすごく素敵やと思う。語れる人間になるためには、旅ってすごくいい手段やないかなぁって思う。